お正月はオイルパックで気持ちよくスタート 1月 1, 2021 スキンケアの豆知識 新年明けましておめでとうございます。今年の正月三が日は冷え込みが強く、特に北国は冷凍庫なみの寒さと大雪の天気予報が出ているようです。 お風呂タイムを利用したオイルパック この季節、お風呂にゆっくりとつかり身体を温めるのはいいですね。そして、このお風呂タイムを利用したオイルパックは、乾燥気味のお肌の調子を一機に整えてくれます。 肌の皮脂量は20~30歳代までは増加しますが、それ以降は減少し続けます。年齢を重ねると自身で脂肪酸を作る能力が低下し肌はカサカサになりやすくなります。お風呂や美顔スチーマーを利用したオイルパックで、脂肪酸を角質層に浸透させれば、吸い付くような肌感覚が取り戻せます。 さて、このオイルパック、”オイル”と呼ばれるものならなんでもいいのでしょうか。 大きく分けて3種類のオイルがあります 炭化水素油 炭素と水素だけからなるオイルで、例えば石油から作られるワセリンやミネラルオイル(ベビーオイルの成分)やサメ肝油あるいはスクワランなどです。安定性が高いのが特徴です。ワセリンやミネラルオイルは分子量が大きいため、皮膚には吸収されず、皮膚に塗ると皮膚に被膜を作り、水分の蒸発を防いでくれます。このため、ブースターやオイルパックのような用途には向きません。 油脂 動物由来油脂と植物由来油脂があります。油脂の主要成分は、脂肪酸とグリセリンが結合した構造のグリセリドで、油脂の種類により脂肪酸の種類や比率が異なります。油脂に含まれる脂肪酸は、お肌に浸透して肌を柔らかくして、水分の蒸発も防いでくれる働きがあります。オイルパックには油脂と呼ばれるオイルが適しており、必須脂肪酸や多様な脂肪酸が豊富な油脂が魅力的です。 飽和脂肪酸(例:ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸)が多い油脂は常温では固体で、不飽和脂肪酸(例:オレイン酸、リノール酸、エイコセン酸、リノレン酸)の多い油脂は常温で液体です。より不飽和脂肪酸が多ければ、オイルのテクスチャーがサラサラしています。 また、体内で必要なのに人には作ることができず、食物として摂取したり、皮膚からとる必要のある脂肪酸もあり、必須脂肪酸と呼ばれています。そういった必須脂肪酸(例:リノール酸やαリノレン酸)を多く含むオイルが、サボテンオイルや荏胡麻(えごま)オイルです。 コスメオイル中の脂肪酸の様子 エステル油・ろう類 ホホバオイルオイルやみつろうなどです。油脂と炭化水素油の中間の性質で、被膜を作って肌を保護するのには優れています。 皮膚への浸透性 抜群なサボテンオイル オイルパックしたりするとサボテンオイルの皮膚への浸透性がとても良いことがわかります。 皮膚の表面には約0.02mmの角層があります。角層には、角質細胞がレンガのように何層にも並びます。そして、その間を細胞間脂質が満たしています。細胞間脂質は、セラミドや脂肪酸などの脂質の層と水分子の層が何層にも重なりあう「ラメラ構造」をとります。 皮膚は、一般的に500kDa以上の大きな分子サイズのものは通しにくいと言われています。一方、脂に馴染みやすい成分は、分子量500kDaより大きくても角質層へ吸収されます。ただし、角質層より先には脂溶性が高すぎると進めないので、皮膚への浸透性という点においては、脂溶性が適度に高いことがポイントになります。 また、融点(固体が融解し液体になる時の温度)が低いほうが角質層に溶けやすくなります。この結果、皮膚からの吸収性が高まります。サボテンオイルに多く含まれる脂肪酸のリノール酸の融点は-0.5℃です。 角質のラメラ層 – 水分と皮脂がバランス オイルパックの方法 洗顔後、水分をふき取り、オイルを顔全体に薄くのばします。掌で顔を優しく何度か包み込むようにしてつけます。あとはお風呂でゆっくりと温まり、その後、化粧水などいつもどおりのお手入れをします。美顔スチーマーに10分程度あたれば同様にオイルパックができます。 多様な脂肪酸やその他の成分を浸透させられるオイルパックは魅力的ですね。 Posted in スキンケアの豆知識, ブログ