サボテンオイルは民間療法薬!?
ウチワサボテンは17世紀にメキシコからスペインを介してモロッコに伝わり、それ以降、モロッコでは傷ややけどの民間療法薬として使用されてきたという話があります。昔の人はどうやって効果のあるものを見つけ出してきたんだろう、といつも感心させられます。成分的にはサボテンオイルは、抗酸化作用のあるビタミンEや水分をキープし抗炎症作用があるリノール酸、親水性の高いフィトステロールが含まれているので、納得できる気はします。
これが本当なら、ウチワサボテンオイルは日焼け後の肌にもいいのではと、この民間療法の真実に興味がわいてきました。
医療系ジャーナルでサボテンオイルをチェック!!
ウチワサボテンオイルは、どうやって傷ややけどに効果を発揮するのだろう。この謎を確認するために、信頼性のありそうな査読付き医療系ジャーナルを調べてみました。すると、「ウチワサボテンを含む天然のものから抽出したオイルのやけど治癒への効果(WOUND HEALING and PLASTIC SURGERY, 2016; 201(2); P464-472)」についてきちんと研究をしてくれている人がいるではありませんか。ちょっと、興奮。
この実験ではラットに人為的にレーザーでやけどを負わせ、そこに毎日、ウチワサボテンオイルを塗ることでやけどの治癒が、他のケアと比べて加速したと報告しています。実験に使用されたのは、Oasis du Saharaのサボテン美容液と同様、冷却圧搾法でサボテンの種子から絞り、溶剤や添加剤を使っていないウチワサボテンオイル、亜麻仁オイル、パンプキンオイル、そして生理食塩水(対照)。亜麻仁オイルも経験的に、やけどのケアに使われてきたんですね。やけどの改善の様子は、ウチワサボテンオイルを塗ったラットのやけど部分は、他のオイルや生理食塩水と比較して、大きさや組織的な修復具合に関して治癒が進み、コラーゲンの含有量も高くキープされていることがデータとして確認されていました。
モロッコでの熱射病への対処法
民間療法って不思議です。モロッコを旅していると、一日中強い日差しを見つめているためかドライブが終わる夕方には、頭が痛くなってどうにもならないことがあります。地元の方にこの症状を訴えると、皆同じように、レモンを半分に切ってこめかみのところに”ぐりぐり”と当てるといいと言いよと、レモンをくれたりします。「本当に効果があるの?」と疑いながら、その通りにやってみることになります。レモンの健やかな香りで、改善されたようなそうでもないような?(注:レモン果汁を肌につけて太陽にあたると肌トラブルの原因になりますので、気を付けてください)
レモンの”ぐりぐり”ケアと熱射病の民間療法については、医学的に検討した方はいるのでしょうか。いつかこちらについても確認してみたいと思います。