2020年3月4日
モロッコにはバラで有名なムグナという町があります。春の4月から5月上旬、車で走っていると、突如、甘い香りに気付きます。見渡すと野に咲き乱れる小さなバラがたくさん…..。
毎年、私はこの時期、ムグナで過ごしていますが、今年はコロナの件で、日本人はモロッコに入れてもらえないかも。飛行機チケットの手配も慎重になります。日本も、そして世界的にも大流行にならず終息すること祈ります。
さて、ムグナのバラの話ですが、10世紀に巡礼者がメッカからダマスカスローズをモロッコのこの地に持ち帰り、それ以来、ムグナではバラの栽培が盛んにされていると聞きます。農家の皆さんは、この時期、朝早くから畑の中に点在するバラ摘みに追われます。
この町の主要産物はダマスカスローズを使ったコスメ原料や製品。街道沿いにでると、化粧品原料として有名なローズウォーターやローズオイルの精製所をそこかしこで見かけます。町の中心にはローズウォーター、ローズオイル、ローズ石鹸、ハンドクリームなどのローズ製品を売るお店が軒を並べています。私はここで、お気に入りのローズの香りのガスールパックを見つけました。
ローズウォーターは、楊貴妃やクレオパトラやなど歴史上の美女たちも美容に愛用していたと伝えられています。ローズウォーターはダマスカスローズを窯で熱して得た水蒸気から製造されます。殺菌効果・抗炎症効果が強いので、地元の方はそのまま目やのどにミストして使用します。
4月から5月上旬、農家の子供たちは街道沿いで、お小遣い稼ぎにバラのリース(花輪)を作って売っています。そのバラのリースを顔や腕のそばに持って行ってみると、皮膚がひんやりとして少し潤うような感じを覚えます。ダマスカスローズには、沈静効果、冷却効果、女性ホルモンを増やす働きや抗老化などの効果があると言います。この時期、ムグナでバラに囲まれて過ごしているだけでその効果を感じられる素敵な気持ちになります。バラは春にしか咲いていませんが、モロッコのムグナを通ったらぜひお土産に購入してみてください。